【基本編】コンプレッサーの種類〜最強のコンプはどれ?〜




コンプレッサーの種類

コンプ第三弾です!

今まで『コンプについての記事』は ↓

今回は『種類』についてです!
『音を圧縮させる方法』の違いで『4種類』あるので、その説明をしていきます
そして、『どのコンプが最強なのか?』を考えていきたいと思います
 

コンプの種類

①FET(トランジスタ)

②OPT(光学式)

③TUBE(真空管)

④VCA

(⑤デジタル最新系)


⑤は、デジタル処理の開発によって新しくできたコンプという理解で進めます
いわゆる音を圧縮しても「あまり違和感のない」「ナチュラル」な感じのものです
音を圧縮させる方法がデジタルなので、①〜④とはかなりジャンルが違うので、カッコをつけておきました

①〜④は、代表的な実機がありますが、今では、デジタルで再現しているプラグインが多いですね
アナログのコンプの動作原理や回路図の話は、マニアックすぎるので省略して解説をしていきたいと思います!
 

①FET(トランジスタ)

FETは、電界効果トランジスタの略
入力された電圧によって電流を制御してやろうというものです
(なるほど!とスルーしておいてください笑)

【代表モデル】
「ヴィンテージ実機」:Urei 1176
「現行モデル」:UNIVERSAL AUDIO / 1176LN
「プラグイン」:WAVES CLA-76

【特徴】
とにかくアタックが早いコンプ
→ アタックが早いので、歪みやすい
音色も付け加えられる

【注意点】
アタックが早いので調整がシビアかも
かなり音のキャラクターがアタック,リリース,レシオで変わる
特にやり直しができない掛け録りには注意!

【オススメの使い方】
スネアドラム / ロック系ボーカル / ロック系ピアノ / カッティングギター など
 
アタックを 遅 → 早
リリースを早 → 遅 と調節することが多いです(右回しが最速ですよー!)

スネアの音を「スパァーン」だとすると
「スパ」がアタックの調整で決めて、「ァーン」をリリースで決めていく感じにしています
 
あと、レシオ「全押し」という機能があります
歪んだ、すごく特徴的な音になります
『椎名林檎さんの本能』という曲の最初の歌に使われているそうです

 

②OPT(光学式)

光学式コンプは、LEDとフォトセルを組み合わせたフォトカプラーという素子が特徴です
簡単に言うと、入力した音によってLEDが光って、その光り方によって圧縮しているコンプですね!

【代表モデル】
「ヴィンテージ実機」:Teletronix / LA-2A
「安価な実機」:WARM AUDIO  / WA-2A
「プラグイン」:WAVES CLA-2A

【特徴】
アタックが遅い
ナチュラルにかかる

【注意点】
アタックが遅いので早い音には掛かりきらない

【オススメの使い方】
ボーカル / ギター / ストリングス など

「とにかくナチュラルに音のばらつきを少なくしたいとき」にオススメ!
ボーカルのロングトーンなどにかかるといい感じです
ドラムのシンバル、ベースのスラップのような「早い音」はちゃんと圧縮できません

 

③TUBE(真空管)

真空管を使ったコンプです!
真空管と聞くと、なんか音が良さそうな感じがしますよね!?

【代表モデル】
「ヴィンテージ実機」:Fairchild 660,670
「プラグイン」:WAVES PuigChild Compressor

【特徴】
アタックが遅い
音がファットな感じ、明るくなる

【オススメの使い方】
なんでも使える!
「アナログの感じを出したりとき」、「音を明るくしたいときに」使います
マスターにスレッショルドを”0”にしてただ通すだけという使い方もします
ピアノに通すのも個人的に好きです
OPTとTUBEは、どちらもナチュラルなコンプの掛かり方ですが、

・音色を変えたくないときは『OPT』

・音色を変えたいときは『TUBE』と考えるのも良いのではないかな?と思います

④VCA

Voltage Controlled Amplifier回路を使ったコンプ
レスポンスが早くて、クリーンな出音です

【代表モデル】
DBX 160
API 2500
SSL Bus Comp

【特徴】
圧縮してまとめるバスコンプ(多くのチャンネルに一気にまとめて掛けるコンプ)に向いている
掛けすぎると低音が無くなっていく

【オススメの使い方】
バスコンプ / マスタートラック / 瞬間的な早い、大きい音を圧縮させる など

⑤デジタル最新系

実機ではなくて、プラグインで開発されたもの
いわゆる音のクセが少なく、音を圧縮しても「あまり違和感のない」「ナチュラル」な感じです
アタックやリリースをオートで調整してくれるものもありますし

「万能系」WAVES / Renaissance Compressor(R Compressor)

「味付け少ない単純なコンプ」WAVES / C1 Compressor

「帯域ごとにコンプを掛ける」WAVES / C4 Multiband Compressor

「ボーカル特化したコンプ」WAVES / Renaissance Vox

こういう感じの便利なコンプは、今後どんどん開発されていきそうです!


最強コンプはどれなのか?

全部です!笑
結局は、デジタルが便利そうですが・・・
アナログコンプを通したときの音の色付けが欲しくなります!
もちろん実機も良いですが、中古で数百万円もするものもありますし、メンテが大変です・・・
なので、デジタルでアナログコンプの再現(モデリング)したものは非常に助かりますね! 
使い方によってどれも最強コンプです!
アナログかデジタルのどっちが良いのか?

− 使い方次第ですよ!

OPTかTUBEか?

− 使い方次第ですよ!

大切なことは、『どんな音を作りたいのか?』ということです

あくまでもコンプは道具です
『どういう音を作りたいか』ということを意識しているのかということの方が大切です!

「どのコンプを使えば良いのか?」「どんな使い方がよいのか?」よりも「どんな音を作りたいか?」をまず考えてみましょう
「どんな音を作りたいか」を決めてから、コンプの種類を選び、コンプの設定を考えるのが良いです
こういう音を作りたいときは、「最強のコンプはこれ!」となってくると思いますし、
こういう音が作りたいから、「新しいコンプ買おう!」となってきます
(新しいもの買う前に、今持っているものではダメなのかとチェックしてくださいね!笑)

 

最後に

今回のまとめたものを一覧で見やすくしたものが ↓ です
(あくまで目安と思ってくださいね)

FET(トランジスタ) OPT(光学式)TUBE(真空管)VCAデジタル最新系

【代表モデル】
「ヴィンテージ実機」:Urei 1176
「現行モデル」:UNIVERSAL AUDIO / 1176LN
「プラグイン」:WAVES CLA-76

【特徴】
とにかくアタックが早いコンプ
→ アタックが早いので、歪みやすい
音色も付け加えられる

【注意点】
アタックが早いので調整がシビアかも
かなり音のキャラクターがアタック,リリース,レシオで変わる
特にやり直しができない掛け録りには注意!

【オススメの使い方】
スネアドラム
ロック系ボーカル
カッティングギター
ロック系ピアノ  など

【代表モデル】
「ヴィンテージ実機」:Teletronix / LA-2A
「プラグイン」:WAVES CLA-2A

【特徴】
アタックが遅い
ナチュラルにかかる

【注意点】
アタックが遅いので早い音には掛かりきらない

【オススメの使い方】
ボーカル
ギター
ベース   など

【代表モデル】
「ヴィンテージ実機」:Fairchild 660,670
「プラグイン」:WAVES PuigChild Compressor

【特徴】
アタックが遅い
音がファットな感じ、明るくなる

【オススメの使い方】
なんでも使える!
「アナログの感じを出したりとき」、「音を明るくしたいときに」使います
マスターにスレッショルドを”0”にしてただ通すだけという使い方もします
ピアノに通すのも個人的に好きです
OPTとTUBEは、どちらもナチュラルなコンプの掛かり方ですが、

・音色を変えたくないときは『OPT』

・音色を変えたいときは『TUBE』と考えるのも良いのではないかな?と思います

【代表モデル】
DBX 160
API 2500
SSL Bus Comp

【特徴】
アタックが早い
圧縮してまとめるバスコンプ(多くのチャンネルに一気にまとめて掛けるコンプ)に向いている
掛けすぎると低音が無くなっていく

【オススメの使い方】
バスコンプ
マスタートラック
瞬間的な早い、大きい音を圧縮させる など

いわゆる音のクセが少なく、音を圧縮しても「あまり違和感のない」「ナチュラル」な感じです
アタックやリリースをオートで調整してくれるものもありますし
「万能系」WAVES / Renaissance Compressor(R Compressor)

「味付け少ない単純なコンプ」WAVES / C1 Compressor

「帯域ごとにコンプを掛ける」WAVES / C4 Multiband Compressor

「ボーカル特化したコンプ」WAVES / Renaissance Vox

↓ 【めっちゃ勉強になる!】コンプの比較動画(長いですが、イヤホンを付けてじっくりと見てください)

 

【断然おすすめのWAVESプラグインバンドルセット】
今回、紹介したコンプのほとんどが入っているプラグインバンドルセットは、『Horizon』です
(たしかVCAコンプだけなかったと思います。DBX160などは別売りです・・・)
WAVES ( ウェーブス ) / Horizon 

 

【実機のコンプに興味がある人】
基本高いものが多いです・・・
最近、比較的安くてオリジナルに似せたメーカーもあります
【FETコンプ 1176系】
WARM AUDIO ( ウォームオーディオ ) / WA76

【OPTコンプ LA-2A系】
WARM AUDIO ( ウォームオーディオ ) / WA-2A

以上で終わりたいと思います
今回はちょっと長かったと思いますが、最後までご覧くださりありがとうございます!
どのコンプも今回紹介した5種類に分類できるので、身の回りのコンプがどの種類なのかチェックしてみてください!
また、わからないこと、もっと聞きたいことがあればコメントなどください!

【基本編】コンプレッサーの種類〜最強のコンプはどれ?〜




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Shinki Takahira

サウンドクリエイター&エンジニア
【Works】 レコーディング / PA・SR / オケ制作 / 作曲 / アレンジ / ギター、ドラム、DTMレッスン

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