Allen & Heath SQ-6
2018年(2017年のような?国内と海外で時期も違いますが)発売になったデジタルミキサーです!
SQ-5 / SQ-6 SQ-7の3サイズがあります
サイズが『16/24/32フェーダー』のラインナップがたくさんあるのはいいですね!
移動用として小さいサイズを所有する方、シーンを保存したものを違う機種でも呼び出せたりするのも助かりますね!
違いとしては、『フェーダー』『つまみ/ボタンの数』『ミキサーの後ろのインプットの数』ですね
アレヒの卓は、好きなボタンに自分の欲しい機能割り当てていけるので、その機能を存分に使いたい方は大きめの卓の方がカスタムボタンが多いです
↓ ホームページ
今回は、使ってみたレビューを書いていきたいと思います!
96kHz,96bit対応!!
これが、このデジタルミキサーのすごい売りですね!
いわゆるデジタルミキサーの『ハイレゾ』化と言っても良いのではないでしょうか?
最近、『ハイレゾ』ってよく言われますが、みなさん知っていますか?
いわゆる可聴音域(20~20000Hz)を超える情報量を持っている音楽データのことです
現代の音楽は、ほぼ100%『デジタル』です。なぜなら、アナログの音をデジタルに変換しているからです。
CDは、44,1kHz,16bitという規格になっています
『kHz』は、サンプリングレートと言われ、『一秒間にどれだけ音を細かく記録するか』です
アナログの20kHzの音(聞こえる音域の限界)をデジタル化(サンプリング)するときに必要なのは、だいたい40kHzなので、CDは44,1kHzとしています
『bit』は、ビットレートと言われ、サンプリングしたものをデータ化する際に、「振幅値をどこまで細かく数値変換するかを決める値」です。
この話は、難しいのでここらへんにしておきましょう!(笑
ハイレゾは、情報量が多いので、データは重いです!
これは断言できますが、『音が良いのか?』という点については、賛否両論あります。
なぜなら、人間の耳に限界があるからです。
どんなに情報量を増やしても、人間の耳に聞こえないのに、正しい処理ができるのか?
情報量が多いと、ノイズも拾ってしまうのではないのか?などの意見もあります・・・
じゃ、『ハイレゾ要らないよね?』ということになりますが・・・
実は、デジタル処理(編集)については情報量が多い方(サンプリングレート、ビットレートが高い)が良いです!
デジタル処理のときに、データ量が少ないと元々の音と誤差が出てきてしまうからです。
なので、レコーディングでは、24bit,48kHz, 88.2kHz, 96kHzで録音/編集をしています。
レコーディングの品質をライブ音響にも求められてきているわけですね!
↓ の図が『デジタルミキサーの音の流れ』です。
デジタルミキサーでは、音(アナログ)をデジタル信号に変換させます(サンプリング)。そして、編集して、アナログに変換させていきます。
なので、デジタル信号の情報量が多いと『編集』の質を上げることができるので、デジタルミキサーの『ハイレゾ』化というのは、意味があります!
しかし、見落とされがちなのは、音を「アナログ→デジタル→アナログ」に変換させるところですね!(プログラムと機材の部品の質ですね。)
そこで、実験してみました!
SQ-6において、『96kHz』と『48kHz』で違いが出るのか!?
3人で聴き比べてみました!
【Let’s 実験!!】
〈96kHz〉ミキサーから直でスピーカー(QSC K12)へ
〈48kHz〉ミキサーからステージボックス(AR2412)に、そしてスピーカー(QSC K12)へ
・まず、iPhoneでBGMを流してみる
ミキサーに直でiPhoneを接続
『ミキサーから出した音』と『ステージボックスから出した音』の比較
3人で聞いたところ、2人は差がわからなかったです(笑
1人は「高音がミキサーから出した方が良いような・・・」
「でも、48kHzの方が、まとまって聞きやすいような・・・」
3人の意見
『96kHzって言われると、音が良く聞こえてしまう』
『そもそもiPhoneからの出力の音質がどんなものなのか。(iTunesではハイレゾは配信していないですし、圧縮したファイル形式になっています。)』
『ステージボックスからでも、ミキサーからでも、アナログ(XLR)で出力したときに差がそんなにないのかも』
・マイク(SM58)で比較
マイクを
①ミキサーに接続した場合と②ステージボックス(AR2412)に接続した場合の比較しました
これも3人中2人は差がわからなかったです(笑
私は、これは「違うな」と思いました
ミキサーに直のマイクの方が、「音の密度がつまっていて、低音から高音まで広いレンジ」に感じました。
しかし、48kHzの方が、モニタリングしやすい気もしました。情報量が多いせいなのか、SM58の限界なのか、96kHzの方が聞きにくいような、粗さも目立つように感じました。
あと、QSC K12程度のスピーカーでは差がわからないのかもしれません
ラインアレイで大音量で出すと変わるのかな?
結局、「96kHzじゃないとだめ」と感じる人はなさそう・・・
でも、音楽は芸術なので、こだわりを持って『ちょっとでも音を良くする工夫と努力』は大事でしょうね!
でも、コンプ、リバーブなどのエフェクター類の効きは良くなるかも!(ここは、もっと検証していかないといけないですね)
< 0.7msのレイテンシー!!
レイテンシー(遅延)がデジタル処理をすると発生します。
レコーディングでも発生しますし、デジタルミキサーの初期では問題にされていました。
最近は、ハードウェアの開発が進んだので、ほとんど問題にされなくなりました。
96kHz,96bitでも0.7ms以下のレイテンシーです!
これはすごい!
0.7msの遅れは、だいたい30cm以下の遅れです(1ms=30cmの遅れ)
ギター弾く人は、アンプのマイクとの距離は30cm以上離れてますし、そのズレは気にならないですよね!
これだけの処理をしても、それぐらい早いということです!
DEEP Processing
レイテンシー無しで、サウンドメイクが奥深くなります!
現在は、チューブプリアンプが使用できます。(今後、ビンテージコンプなどが使用できるようになるようです。)
チューブプリアンプもいろいろと種類があって、全部試せていないですが、音が深く暖かくなるように感じました。
アップデートのたびにいろんな別売りのプラグインなどが出てますね!!
(興味はありますが、買ってません泣)
Flexible Multitrack Recording
USBメモリーで32chのマルチトラックレコーディングが出来るようになりました(Ver1.5以降)
もちろん、PCで32chのマルチトラックレコーディングも出来ます
(同時にはできないようです。両方でできたら、バックアップになってよかったのに・・・)
・48kHzのレコーディングも出来るようになりました!
・USBからのマルチトラック入力も出来ます
→ライブレコーディングして、バーチャルバンドミックスも出来るのでサウンドチェックに良さそうです
AMM
SQには、自動マイクミキサー(AMM)機能が付いています。
この機能は、使ったことないのですが、会議、パネルトーク、テレビのミックスに最適らしいです。
面白そうな機能ですね!
タッチパネル

フェーダー

ステージボックスが比較的安い!
ARシリーズ(48kHz)、DXシリーズ(96kHz)の両方が使えます!
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GLDとかQuシリーズを持っている人のSQへの乗り換えも安く済みますね!
他社のステージボックスに比べると、安いと思います。たぶん、アナログのマルチケーブルと同じくらいの価格です
マルチケーブルの長距離は、大変ですよね・・・
アップデートで変更になった点/これからに期待な点!
発売されてから何回かアップデートがあり、どんどん機能がふえていきます
・オフラインでのiPadでの編集が出来ます
・オプションカードDANTE/SLink/SQ Wavesがあります
MADIがない・・・デジコと互換性あればいいのになぁ
・EQ画面でのRTA表示
・ハイパス/ローパス対応
これはすごく困っていたので良かったです
【うーんなところ】
・FOH / MONITOR スプリットアウト(ステージボックスを用いて)
→AR,DRボックスではメイン卓とモニ卓を分けることは今後も無理そう
DANTEかSLinkもしくはアナログで分岐させるしかSQをモニ卓としては使えないと思います
・PCのエディターがない
卓の横では、PCの方が使いやすい気もします
・iPadは2台まで接続可能
スマホ用の簡単なアプリは別ですが、iPadは2台まで接続できます
SQがメイン卓のみで時間がないときに3台くらい接続できると回線チェックやチューニングなどに便利かなって思いました
もう少し仕込み時間をちゃんと取ったり、モニ卓を用意すれば良いでしょうがね笑
この価格帯にしては、安価で多機能のデジタルミキサーということは間違いないと思います!
今後のアップデートにも期待!!
この価格帯だと『YAMAHA TFシリーズ』と悩むところだと思いますが
個人的にはSQの方が良いかなという印象ですね
YAMAHAはブランド力がありますが、TFシリーズ上位機種との互換性のなさがツライです
↓ YAMAHAのTFシリーズが気になる人はチェックしてみてください
Shinki Takahira
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